【社会福祉法人】監査で真っ先に見られる!「理事会議事録」の作成方法と3つの落とし穴

【社会福祉法人】監査で真っ先に見られる!「理事会議事録」の作成方法と3つの落とし穴

2023.08.30

【社会福祉法人】監査で真っ先に見られる!「理事会議事録」の作成方法と3つの落とし穴
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理事長・施設長・事務長様
株式会社幼保支援 法人運営支援/施設DX推進担当の大田黒です。
「議事録なんて、決まったことをメモしておくだけでしょう?」「毎回、前回のデータをコピーして、日付と出席者だけ書き換えて終わり!」

もし、事務長の皆様が心のどこかでそう思っているとしたら……それは非常に危険です。

社会福祉法人の指導監査において、監査員が最初にチェックするのは間違いなく「理事会議事録」です。なぜなら、議事録は法人が適正に運営されているかを証明する唯一の法的証拠だからです。

ここに不備があると、最悪の場合、決議が無効になったり、理事長の責任を問われたりする可能性があります。

今回は、忙しい事務長の皆様のために、社会福祉法人の理事会議事録の「正しい書き方」と、チェックすべき「3つの落とし穴」を分かりやすく解説します。


1. そもそも、議事録には何を書かなければならないのか?

社会福祉法(第45条の19)では、理事会議事録の作成が義務付けられています。「何を書いても自由」ではなく、法律で「記載しなければならない事項」が決まっています。これを外すと、法的な効力を持たない議事録になってしまいます。

理事会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。

  • 1.理事会が開催された日時及び場所
    (当該場所に存しない理事、監事又は会計監査人が理事会に出席した場合における当該出席の方法を含む・電話・WEB会議システム 等々
    理事会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨
     1} 理事会の招集権者以外の理事の請求を受けて招集されたとき
     2} 1の請求で招集されないため、その理事が招集したとき
     3} 理事会への報告義務により監事の請求を受けて招集されたとき
  • 2.理事会の議事の経過の要領及びその結果(理事会の流れ)
  • 3.決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは、当該理事の氏名
  • 4.次に掲げる規定により理事会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
     1} 競業又は利益相反取引の制限に係る取引の報告
     2} 監事からの理事が行った不正行為等の報告
     3} 出席監事からの意見
  • 5.理事会に出席した会計監査人の氏名又は名称
  • 6.理事会の議長が存するときは、議長の氏名

2. 事務長が冷や汗……監査で指摘される「3つの落とし穴」

ここからが本題です。形式的には整っているように見えても、実務上「アウト」判定されやすいポイントを3つ厳選しました。

【落とし穴1】利益相反取引の「決議記録」がない!

理事長個人の所有地を法人に貸す場合や、理事長が経営する別会社と契約する場合などは「利益相反取引」にあたります。この承認決議を行う際、該当する理事(特別利害関係人)は議決に加わることができません

⚠ よくあるミス

議事録に「全員異議なく承認」と書いてしまうケース。特別利害関係人が議決に参加しているように見えるため、決議が無効になるリスクがあります。

✅ 正解

「~○○理事は、審議の間、退室した。」や、「~○○理事は、議決に加わらなかった。」という記録を明確に残す必要があります。

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決議に対しての利害関係者の確認を行うようにお願いします。

決議事項に特別の利害関係を有する理事が存するかを確認した結果、本日の議案について該当する理事はいない旨が報告された。

【落とし穴2】「決議の省略(みなし決議)」の手続き不備

緊急時などに、実際に集まらずに書面だけで決議を行う「決議の省略(みなし決議)」。これも非常に便利ですが、要件が厳格です。

⚠ よくあるミス

「提案書」を送って終わり、または「反対がなかったから可決」としているケース。

✅ 正解

みなし決議を成立させるには、「理事全員の同意書」「監事の異議がないことの確認」が必須です。議事録には、その事実(全員の同意があったこと)を記載し、議事録と同意書自体もセットで保存しなければなりません。

【落とし穴3】「職務執行状況の報告」の頻度・間隔ミス

平成28年の法改正で、理事長と業務執行理事は、「3ヶ月に1回以上(定款で定めた場合は毎会計年度に2回以上・4ヶ月を超える間隔で)、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない」と定められました(社会福祉法第45条の16第3項)。

⚠ よくあるミス

報告自体を忘れている(決議事項しかやっていない)。
報告はしたが、議事録に「理事長より業務報告があった」としか書いていない(内容不明)。
「4ヶ月を超える間隔」が空いてしまっている(例:6月と9月にしか開催していない)。

✅ 正解

定款で「年2回以上」としている場合でも、前回報告から4ヶ月を超えなくてはなりません。また、「報告事項」として議題に上げ、議事録にも「直近の経営状況について詳細な報告がなされた」等の記録を残すことが、ガバナンス(統治)の観点から強く求められます。

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毎会計年度に四月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならないと定めた場合には、会計年度でチェックしますので、2月の翌年度当初予算の理事会と、6月の決算理事会で「理事長の職務執行状況の報告」を行うようにルーチン化をおこなえば、漏れが無くなります。


3. 「毎回法改正をチェックして、手作業で直すのは限界……」

正直なところ、これらの法律要件や定款の規定を、毎回マニュアルを見ながらチェックするのは大変な労力ですよね。「前回のをコピペ」したくなる気持ちも痛いほど分かります。

しかし、その「コピペ」が監査指摘になる前に、仕組みで解決しませんか?

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  • 最新法令に自動対応:法改正があっても、テンプレートが自動でアップデートされるので、古い様式を使ってしまうミスがなくなります。
  • 特別利害関係人のアラート機能:役員情報と紐づき、利益相反の可能性がある場合にアラートを表示。退室記録のフォーマットも自動挿入されます。
  • 開催間隔の管理:「職務執行状況報告」の間隔が空きすぎていないか、システムがスケジュールをチェックします。

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